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【海外で働く】日本の常識は世界の非常識?!メキシコ人と仕事する上で知っておきたいこと ~『命令』vs『お願い』

メキシコの日系企業で働いております。

 

気付けば日本よりも勤務年数が長くなってしまいましたが、

相変わらず日本との違いに驚かされることばかりです。

 

国が違えば商習慣も違う。

しかも日本から遠く離れた国、メキシコ。

そんな中で日本人が一緒に働いていると、大小様々なトラブルや誤解が毎日のように発生します。

今回は、そんな一例をご紹介したいと思います。

 

はじめにお伝えしておきますと、これは筆者が現地で長く仕事する上で個人的に感じ考えたことをまとめたものです。

 

それぞれ違う感じ方をされる方もいらっしゃるかもしれませんが、一個人の意見としてとらえていただけますと幸いです。

 

それでは、どうぞー。

 

 

仕事の指示通りにいかないのは、言い方が問題かも?

日本人から良く聞く悩みごとのひとつに、

「メキシコ人がいうこと聞いてくれない!!」

ということがあります。

 

言語伝達も含めて色々と理由はあるでしょうが、

もしかしたら、それは「言い方」の問題かもしれません。

 

 

『命令』は時に高圧的な印象に

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職場内で上司が部下へ指示する時、

「〇〇しなさい。」

「〇〇して。」

と指示を出します。

 

よくある日常の光景 -いわゆる、敬語を使ずに『命令』する表現方法です。

 

今はパワハラという概念が日本にも広まり、話し方ひとつでも厳しくなってはいるものの、

多くの企業では『命令』口調はごく当たり前に使われています。

(少なくとも筆者が働いてきた会社では・・・)

 

しかしこれをメキシコ人が聞くと、高圧的に受け取られがちです 

 

理由は、

日本語では「〇〇して。」と言ったつもりでも、

これをそのまま直訳してしまうと「〇〇しろ。」と強い言い方に訳されてしまうためです。

 

 

どう言えば良いのか?~『お願い』ワードで対応

では、どう言えば良いのか?

 

「○○してください」

「○○してくれませんか?」

 

と、『お願い』する方法。

 英語でいう”Please”や”could you...?”にあたります。

 

「いや、仕事だし・・・」

「依頼じゃなくて指示だし・・・」

と考える日本人は多いと思いますし、自分自身でもそう思います。

 

・・・が、メキシコではそれが通用しないという現実もあります。

 

むしろ、メキシコでのビジネス常識に照らし合わせると、

日本ならではの言い方は非常識とみなされてしまうことがあります。

 

メキシコ人は、いわゆるラテンのお気楽&フランクなイメージがありますが、

特にビジネス上では、相手に対し真摯な態度を取り、良好な関係を気付くことに努めます。(それが建前だとしても。)

それゆえに相手への話し方も敬語を含めた間接的な表現となることが多いです。

 

この様な傾向が強い中で、前述したような『命令』表現を見境なく使う日本人に対し、

「話し方の分からないマナー知らず」というレッテルが貼られてしまいます。

 

当然その日本人への印象は悪くなり・・・指示を聞かなくなり・・・という悪循環が生まれているのも事実です。

 

 

 それって『命令』したらダメってこと? ~必要に応じて使い分ける

もちろん、状況によりあえて強く指示を出したいのであれば、『命令』表現を使うこともあります。

 

以下の例は、昔、筆者の職場で同僚Aが同僚Bへ放った一言です。

 

同僚A:「いい加減に、この仕事やれ!俺はお願いしてるんじゃない、命令してるんだ!」

 

・・・とかなり怒って言っているのを見たことがあります。

 こんな風に言うこともあるんだ、と内心驚きました。

 

後から聞いた話では、何度となく依頼した仕事を同僚Bが放置しすぎて、お客様にまで迷惑が及ぶような事態になっていたようです。

 

このように、状況に応じて必要であれば『命令』表現が使われています。

 

 

実践!スペイン語で言ってみる

では、具体的にスペイン語で何て言えば良いのか?

 

すぐに使える簡単な言い方を2つご紹介します。

 

① por favor (ポル・ファボール)を付けるだけ

文章の最後に"ポル・ファボール"と付けるだけで、

 「○○して下さい。」「○○をお願いします。」

 という意味になります。

 

このことばは単独でも使えます。

 例えば通訳さんが指示事項を伝えてくれたとして、

 最後に自身で"ポル・ファボール"と付け加えれば、

「お願いしますね。」といった感じに受け取られます。

 

② もっと丁寧な表現で言ってみる

 色々な言い方がありますので、一例をご紹介します。

 

”Podría...? (ポドリア...)"

で「〇〇していただけますか?」というとても丁寧な表現となります。

 

例:

"Podría enviarme el reporte por correo? (ポドリア エンビアルメ エル レポルテ ポル コレオ?)"

「レポートをメールで送っていただけますか?」

 

さらに①と②を組み合わせて、

”Podría por favor...(ポドリア ポル ファボール...)"

(英語のCould you please...)

と応用すると、更に丁寧な表現になります。

 

 

おまけ:日常会話での一例

仕事上の話をしているのに唐突ですが、一例として日常会話でのひとコマもご紹介したいと思います。

 

〔仲の良いメキシコ人と食事中〕

私:”Pásame la sal. (パサメ ラ サル)"  「ちょっとそこの塩とって」と言いたくて・・・

メキシコ人:"’Por favor', no? (’ポル ファボール’、ノ?)" 「’お願い’、でしょ?」

私:”Ah...'por favor..... (アア...’ポル ファボール’...)" 「あ・・・’お願い’・・・」

 

感覚的には「スプーン取れ」と言っているように聞こえる様です。

 

正しいお願いの仕方は、

"Pásame la sal, por favor. (パサメ ラ サル、ポル ファボール)" とか

(=英語の”Please")

 

"Podrías pasarme la sal? (ポドリアス パサルメ ラ サル?)"

(英語の"Could you...?")

 

と『お願い』ワードを付けること。

 

それは家族や親しい友人であっても例外ではないようです。

 

 

通訳って難しい ~どこまで正確に訳すべきか?

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このような背景がある中で、困るのは日本語からスペイン語へ通訳する時です。

 

日本人が日本語で「○○して。」と言ったことばをメキシコ人へ伝えるとき、毎回どう訳すべきか悩みます。

 

何を悩んでいるかというと、

 

”ことばのまま訳すべきか? or 『お願い』ワードで訳すべきか?”

 

です。

通訳するまでの数秒間で、筆者の中の心の声たちが議論しまくっているのです。

文字化するとこんな感じです:

 

 心の声1:通訳してるんだから、言われたまま訳せば良いのだ!

 心の声2:でもこれ言っちゃうと相手の人は不快な気持ちになるよね、絶対。

 心の声3:そもそもこの日本人、「Do it!(やれ!)」っていうよりは「Can you? (やってくれる?)」ってニュアンスだし、『お願い』表現入れちゃって良いんじゃない?

 心の声4:でもこの日本人は『お願い』してないから訳としては間違ってるよね。

  心の声5:そもそもさー、日本語からスペイン語への直訳の仕方がもう違くない?

 

本来はことばのまま訳すのが正しい通訳の在り方なのでしょうが、

自分の場合は、つい『お願い』ワードに置き換えてしまいます。

 (ちゃんとその指示事項やってくれないと、後々自身の仕事にまで影響出てくる・・・という個人的な事情もありますが・・・)

 

他の問題としては、前述のような現地での受け取られ方を理解した上で、あえて『命令』表現で話したいという人もいます。

 

結局、相手・内容・状況や雰囲気で即座に判断しなければならず、線引きが難しいと感じます。

 

あぁ、通訳って難しい・・・。

 

 

おわりに

以上、つらつらと分かった風に書きましたが、あくまでこれは筆者の個人的な考えです。

 

というか、こういった場面に出会うたびに

「今の対応はベターだったのかな?」と思い悩みます。

 

つまりは

「国によって商習慣って違うよね。

お互い模索しながら最善の方法を見つけていきたいな!」

ということが言いたかったのでした。

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。